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「若草物語」が時代の先端であり続ける理由

先週末、久々に映画館で映画を観ました!

自粛期間の2ヶ月で辛かった事の一つとして、映画館や美術館にいけないことでした。
文化の「旬」に触れられず、自分のクリエイティビティがどんどん老化していっている感じがしていて 泣

離れてみてわかりました。

芸術や文化はとても大事です!!!!

触れる事で、今を生きている実感と、感性の潤いを得られます。
そして、日常で感じるものとはまた違った「感動」を得られて、心が豊かになります。
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当日はワクワクしながら映画館へ。

座席はほぼ満席(とはいえ、両隣に人はいないので、通常の半分が現状の満席)。
皆この時を待っていたのだなあと。
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観た作品は

「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」

あまりにも有名な名作文学「若草物語」
映画リメイクは今回で9回目。

内容はご存知だと思うので割愛しますが、今観ても色あせない不朽の名作というのはこの事。
これが1868年に作られた物語とは思えません。
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作家のルイーザ・メイ・オルコットは、次女のジョーを自分自身のモデルとしています。

男勝りのジョー。作家になる夢を持ち続け、生涯独身でいたいと思っています。
現代女性の先駆け的な人物です。

世界初の恒常的な女性の参政権は、1869年にアメリカ合衆国ワイオミング州が最初だったそう(ただし選挙権のみ)。

若草物語の舞台はまさにアメリカ。
オルコットはその時の時代の流れに鋭く共感したのでしょう。

それがゆくゆくの現在のあり方を作っているわけです。
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毎回主人公のジョー役になる人は、旬の女優と言われています。

1994年に映画化された時は、ウィノナ・ライダー(あの頃のウィノナ人気は凄かった!!)がジョーを演じました。

今回のジョー役はシアーシャ・ローナン。

26歳にして3度アカデミー賞にノミネートされている演技派女優。個性的で味のある女優です。
彼女の主演映画「ブルックリン」は、大好きな映画の一つです。

ウィノナも良かったけど、個人的にはシアーシャ・ローナンの方がジョーにあっているなと思いました。
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監督はグレタ・ガーウィグ。
元々は個性派の新進女優として知られる彼女。
長編監督デビュー作は2018年公開の「レディ・バード」。

この映画は高く評価され、アカデミー監督賞にもノミネート。一気に若手女性監督として注目を。
今回が長編2作目となります。

ちなみに「レディ・バード」のヒロインを演じているのは、ジョー役のシアーシャ。
相性が良かったのか、2回目のタッグです。
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このように旬の才能あふれる人々が集結して作った、今回の映画「若草物語」。

題材は古典だけど、とても現代っぽい作りで新鮮でした。すごく楽しかったです!

そもそもこの小説自体が本当に素晴らしく。

一番の魅力は、女性の多様性なのかなと。

性格も考え方も全く四人姉妹が、それぞれ自分らしい道をあゆみ、進んでいく。
どの生き方が正解とか、一般的な価値観に縛られる事なく。
時に迷い、悩みながらも、自分の人生を切り開き確立していく。

150年以上経った今でも、たくさんの人に愛されるのは、この4姉妹の誰かを自分と投影している人が多いからではないでしょうか。

個人的には昔からジョーが一番好きなのですが(若い頃は結婚したくなかったし、仕事が大好きで、自立第一だったので)。
今この年になって観ると、どの姉妹にも自分がいるようです。

長女のメグの、家族を大切にする思い。同時に着飾るのが大好きな気持ちもよくわかる 笑
三女ベスの、体の弱い自分を受け入れている、心の広さ。人生の不平さを知りながら懸命に生きています。
末っ子エイミーの、したたかで自由奔放な精神は、女性としての強さと武器をきちんと持っていて、見ていて気持ちが良いです。

そして、何よりもツボだったのが、19世紀を忠実に描いたセット!!
19世紀は私の大好きな時代です。
衣装を始め(アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞しています)家や家具や街全体の雰囲気が素敵すぎました。

まだ車もなく、電気も通っていない時代。
自然との共存、同時に文化もあって。
服も家具も物も全て手作り、時間と手間をかけていて、魂が宿っています。

ジョーの書いた本を製本するシーンが出てくるのですが、その工程がとても素敵でした。

この時代に生まれたかったなあと、しみじみ思いました。
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あとは、ミーハー心全開になったのはローリー演じるティモシー・シャラメ。

出てきた瞬間、その美貌にノックアウト!!
「ベニスに死す」のタッジオの再来か!!!
美少年とはまさにこの事、もう鼻血ものでした 笑

この超絶美少年ローリーがジョーにフラれるというのも、映画の大きな見所なのかもしれません 笑
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そんな若草物語の思いを引きずりながら、作った作品はこちら。
「希望の船」

子供たちが写っているこちらの写真。
ずっと魅力的だなと思っていました。

これから船で遊びに行くのか、皆とても楽しそう。
ニコニコしています。

若草物語でも、皆で海に遊びに行くシーンがあったのですが、その映像がとても綺麗で。
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この写真とどことなく似ています。
乗っている子供たちも、だんだんと4姉妹とローリーに見えてきました。

この素材を使っていかにファンタジーさを出すか。
腕の見せ所でした 笑
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やはり映画は良いです。
自分の物作りのルーツは、映画から多く学んでいるのだなと改めて思いました。